「シャドウ・ボックス」という有名なマジックがある。四面に紙が貼られたカラの箱が観客に示される。マジシャンは天井に電球をつり下げ、箱を閉じると、箱の一面に手のシルエットが現れる。続いて女性の横顔が映る。途中で箱の中を確認しても誰もいない。そして最後は、女性が出現するというマジック。透明人間の影が映り、そして実体化して本当の姿を現すかのような印象を観客に与える。
そんなふうに、人は光や影に不思議な感覚を見いだす。影がストーリーに登場する童話も数知れない。このエントリーを書いていても、窓から差し込む太陽の光が流れる雲に遮られるたびに、部屋の中が暗くなったり明るくなったり。
窓に掛けたスクリーンは、陽の光があたる部分はシルエットを投影してモノトーンになり、陽が当たらない部分は半透明になり緑と空の青を透かす。
秋は陽の光だけでも気分がよくなる季節。