昔、ボイストレーニングを習っていたことがある。ちょっと体育会系の年配の先生。発声の練習だけじゃなく、呼吸法や腹筋や背筋も鍛えられた。
そんな中に「ういろう売り」というレッスンがあった。二代目、市川団十郎が1718年に初演した歌舞伎十八番の一つで、とても長い台詞を練習する。
「ういろう」といってもお菓子ではなく、銀色の粒状の薬。六百年以上前とほぼ同じ製法で今も作られていることを最近知って驚いた。説明書も昔ながらの言い回しで、「大人一回に一〇乃至二〇粒」「犬ねこには五〜二〇粒、鶏には一〜一〇粒を用う」などと書かれていて神秘的な感じ。
印籠(いんろう)も別売されており、「優雅な〜印籠容器」というキャッチもいい。
基本的に薬なので、薬剤師の指導のもと対面販売のみ。