日本語で「デザイン」っていうと、なんだか付加価値で形がきれいだとか、色がきれいみたいな事をいうような気がする。この言葉の本当の意味は、「立案」とか「設計」。でも、いいデザインは、まず機能的である事が第一条件なのををつい忘れてしまう。
写真の「耳付きバス」は夜のロンドン大学の前で見かけた、最新式のベンツのバス。頭から、ウサギの耳みたいなものが突き出している。実はこれ、バスの横と後ろを見るためのサイドミラー。昔の乗用車のフェンダー・ミラーもそうだけど、運転者からミラーが遠ければ遠いほど死角がなくなり、事故防止につながる。
写真のバスも、出っ張ったウサギの耳のようなミラーを黒っぽい色にして、目立たないようにできたはずだけど、あえてボディと同じ白にしたところが面白い。機能と面白さが融合した形、それが本当のデザインの姿だと思う。