アメリカのテレビシリーズで「Twilight Zone/トワイライト・ゾーン」という番組があった。1959年から5年間ほど放映されたこの番組は、「ミステリーゾーン」の邦題で日本でも放送されたので、ご覧になった方もいると思う。毎回、現代を舞台にした奇妙な話を、一話完結で放送した。
この「トワイライト」という言葉、「2つの光」という意味。太陽の光と、月の光が同時に照らされていることをいう。日本でも、秋から春にかけて月と太陽が同時に見える時間帯がある。迷信では、この時間帯は「奇妙なことが起きる」といわれていた。先のテレビの英語の番組名は、そんな迷信から命名されたもの。
もちろん、迷信になるには訳があって、人間の目にとって、夕暮れ時の光が誤認を起こしやすい時間帯だから。交通事故でも夕暮れの時間帯での事故が全体の20%を占めることもある。
もう一つ別の迷信もあって「月の光は人間を狂わせる」と信じられていた時代もあった。狂人を表す英語の「lunatic」という単語は、ラテン語の「月に影響された人」を語源としている。
「月の光を浴びると、良くないのよ!」っていうセリフは、思春期の子供の外出を禁ずる母親にとっては、都合のいい言い訳であることを考えれば、なぜそんな迷信が生まれたのか理解しやすいような気がする。