今日、友人の小学生の息子が、小さい頃に気に入っていたイスのことをすっかり忘れていて、座った途端に「あ、このイス!」って急に思い出した、という話を聞いた。
「たしかに、そんな感覚ってあるよね」って、僕はその友人に相づちを打ったけど、最近ではそういう「質感」には名前がついている。
ソニー・コンピュータ・サイエンス研究所の脳科学者の茂木健一郎さんが考察している「
クオリア」という概念がそう。
去年のクリスマスに友人の小児科医の先生が本をプレゼントしてくれて、茂木さんの著書に初めて触れた。とても興味を惹かれる内容だった。
同じマジックでも、演じる人が異なると違って見えたり、そのマジックが社会に受け入れられたり、受け入れられないことがある。それは、トリックそのもの種類よりも「質感」、すなわち、この「クオリア」によるところが大きく影響していると、僕は読後に思った。
僕自身、「クオリア」について完全には理解はしていないけど、こんど茂木さんとお話しできる機会をいただいた。
出典は失念してしまったけど、中国に「生徒の準備が整うと、先生は自然にやってくる」という、僕の大好きなことわざがある。
なんとなく、そのことわざが正しいような気がするのも「クオリア」なのかなぁ…、とエントリーしながら何となく思ったりもした。