今日みたいに、空が青くて風が気持ちよいと、ちっとも仕事がはかどらない。
イスから立って、部屋の空気でも入れ替えようと窓を開けると、梅の葉が薄グリーンに茂っている。
じつは、この梅の木、去年抜いてしまおうと思っていた。コゲラが突ついたのか、樹の幹には大きな穴があいていて、そこに雨水などがたまり、とても傷んでいた。花や葉も数えるほどしか無かったし、小指の先ほどの実が三つしかならなかった。
インテリアやエクステリアについては、思ったことをすぐにやる性格だけれど、なぜか、抜くのは1年待つことにした。とりあえず、樹の幹の補修や、殺菌の薬を散布したり、追肥などをしておいた。
昨日まで、そんなことをスッカリ忘れていた。
窓を開けたときの梅をみて、僕は病気がちだった友人が、ふいに元気に姿を現したような、嬉しい気分だった。
1年という時間は、やっぱり人間の単位なのかも知れない。