つい先日、紀尾井ホールのコンサート「中川英二郎 with 小曽根真」にいった。もちろん素晴らしい演奏。ブロウシャーにある「二つの魂が限りなく自由な世界を紡ぎ出す『至福』のステージ」というは、看板に偽りなし。
僕にとってもう1つ嬉しかったことは、休憩時間のときに言葉を交わす友人知人が増えたこと。誰かが誰かを紹介して仲良くなり、らせん階段を上がるように、人やステキなものに出会うことが増えていく。スパイラル。
最近、僕はこの「スパイラル」という言葉を好んで使う。何かが良くなるときには、人はグルグル回りながら上昇することが多いからだ。
コンサートのアンコールで、観客として来ていた塩谷哲さんが半ば強引に舞台に上げられ、小曽根さんの横で連弾をするシーンがあった。僕らは、なにか予期せぬプレゼントをもらったように喜び、うっとりと曲に聞き入った。そして、そんなことができる、3人のアーティストの信頼関係をとても羨ましく思った。作家の沢木耕太郎さんがその著書の中で「種の保存本能にも似た、自分を未来につなげようという無意識の願望が混ざり込んでしまう結果」と表現したような、素晴らしい絆。
偶然かもしれないけれど、DNAもまた、スパイラルな形をしている。
バックステージで見つけた塩谷さんのカメラ。デジイチ・ブームもスパイラルかも。