書き上がった原稿に、すぐにオーケーをもらえて幸せな気分を味わっていたら、友達から「バーガー食べにいかない?」と誘われた。
偏見かもしれないけれど、ハンバーガーというのは食べにいくモノだとは思ってもいなかったので、ちょっとだけ奇妙な気持ちになった。
今日の海岸線は、少しだけ陽の光がさして沖のほうが明るい。車の中からはわからないけれど、風がずいぶん強いみたいだ。波は荒く、サーファーがたくさん海に出ている。
そんなことを友人と話していたら、あっという間にレストランに到着。メニューを見ると、ハンバーガーに4桁の値段。すこしビックリしたけれど、その反面、ワクワク感もわき上がる。バンズも選べるし、ハンバーグだけでなく、ターキー、マヒマヒ(シイラ)、チキンなんかも選べるようになっている。トッピングも、アボガド、ベーコン、パナップルなど、組み合わせは多種多様。ベジタリアン用のサンドウィッチもある。
そういえば、カルフォルニアに住んでいたころは、そんな個人主義的なメニューを少し面倒くさく感じていたことを思い出した。けれども、今は僕も少し我侭になって、細かい注文に応じてくれるのはありがたいと思うようなった。
一口食べて、そのころの気分を少し思い出した。「忘れていた」という感覚は、そのことを思い出したときに初めて気がつく。ずっと忘れていれば、永遠に無くなってしまう記憶。
そんなことを思い出しただけでも、このバーガー、「値段の価値はあるんだなぁ」と、ヘンなことに感心した。もちろん、とても美味しい。