マジシャンにとって重要なのは手だと思われがちだけれど、ほかにも大切なモノがある。色々とあるけれど、手の次にあげるとしたら眼だと思う。
海外の老練なマジシャンたち、演技中は眼鏡をかけない人でも、トリックの準備となれば話しは別で、ほとんどの人が眼鏡をかけて慎重におこなう。
アメリカやイギリス、スペインでも「手と同じくらい眼を大切にすること」と、眼鏡の奥からのアドバイスは数知れず聞かされた。
そんなことを何気なく話したら、眼鏡に詳しい友人がサングラスをプレゼントしてくれた。最近はアイ・ウエアというのがシャレた呼び方らしい。室内でも邪魔にならない色の薄いアイスグレーのレンズと、黒蝶貝に似たブルーのグラデーションのフレームの組み合わせ。
じつは、僕は黒蝶貝の不思議な色合いが大好きで、シャツやジャケットのボタンが黒蝶貝だったりすると、つい衝動買いしてしてしまう(ありがたいことに、黒蝶貝のボタンのついたシャツやジャケットは多くないので、そんなに浪費しないで済んでいる)。
「フムフム…。アイ・ウエアの達人のセンスはスゴいなぁ」と感心したり、恐縮したり。
そして、僕はアドバイスをくれた老マジシャンたち、心優しい友人に感謝をした。