日本語では「影(かげ)」っていう単語はあまりいい意味で使われないことが多い。たとえば、比喩として「光と影」なんて使われるときは「良い面と悪い面」を意味する。
最近では「影」のかわりにフランス語の "Silhouette(シルエット)"なんて単語が代用されているような気がするし、僕も好んでよく使う。ファッションの世界では、それを身につけたときの全体の輪郭をさす。
この言葉、結構便利。服を買いにいったときに勧められた服が気に入らない場合に(それが、値段であっても、布地の色であっても)
「シルエットが少しね…」
なんていうと、何となく、不思議とみんなが納得してしまう。
話を戻すと、この言葉、横顔が黒い紙に切り抜かれた切絵を好んだ18世紀フランスの蔵相の名前「Étienne de Silhouette」が由来といわれている。19世紀には、肖像としての横顔の切り絵はヨーロッパ中に広まった。写真の普及とともに衰退してしまったけれど、今でもアンティークショップなどに行くと、額に入った横顔の古い切り絵をときどき目にする。
秋になると、日の出は遅くなり、夕暮れが少しづつ早まっていく。気温も下がってくるから、ウチの猫は日向で過ごすことが多くなった。