僕はテレビや舞台の業界用語をあまり使わない。もちろん仕事をする上で、知らないと不自由なこともある。はずかしいかもしれないけど、知らない言葉を耳にしたときは必ず意味を聞く。
中にはとても親切な人もいて、意味だけじゃなく、何でそんな言葉になったかを教えてくれることも。今日のエントリーは外国の劇場で教えてもらった話。
Greenroom(グリーン・ルーム)という英語の単語がある。昔々の西洋の劇場で、ステージのそばにある特別な部屋をそう呼んだ。名前のとおり、すべての壁が緑色に塗られていて、出番の前や合間に俳優たちが、その部屋で休憩をとったりしていた。
電気が普及するまで、劇場ではカーバイトという鉱物と水を化学反応させてできたアセチレンガスを燃焼させて照明にしていた。最近公開されたロイド・ウエバー監督映画「オペラ座の怪人」のオープニングシーンや、ユアン・マクレガー主演の「ムーラン・ルージュ」でもアセチレンガス照明の劇場から電気照明の劇場に改築するために、ヒロインのニコール・キッドマンが身売りさせられる話が登場する。
19世紀末まで主流だった、そのアセチレンガスのライトは大変まぶしく、俳優が直接その光源を見ると、目がくらむほどだった。そこで、出番と出番の間に俳優たちは目を休める効果のある緑色に塗られた部屋で休む必要があった。
現代では照明は電気に変わったので、このグリーンルームはなくなった。俳優たちは着替えたり、メイクしたりする控え室(Dressing room または、Backstage)から舞台へ向かう。
たしかにこういう蘊蓄は、生活の役には立たないけど、コメント欄では「へ〜」っていうよりかは、できれば「仰天!」って書いてほしいなぁ…。
↓先日放映された「チューボーですよ!」の控え室。心配性のマネージャーが用意したレモンの数をご覧あれ。