今日は、大阪のハイアット・リージェンシーでの「
小曽根 真 THE TRIO」のコンサートのゲストに呼んでいただいた。小曽根さんはボストンの名門、バークリー音楽学校を首席で卒業、現在は同校で教鞭をとりつつ、アクティブにコンサートを世界中で続けているピアニスト。
そんな、小曽根さんとご一緒できるはスゴい光栄なこと。小曽根さんファンをさしおいて言うのも何だけど、このTRIO、演奏がとっても素晴らしい。ニューヨークのアクターズ・スタジオを創設した、現代演劇の父といわれるマイケル・チェーホフが云った「真の芸術は『軽やかさ』という要素が必ず含まれる」ってことを体感できる。
でも今日のエントリーの主役は小曽根さんじゃない。コンサートマスターと呼ばれる大型ピアノをチューニングする、小曽根さん専属の調律師の小沼さん。小曽根さんもスゴいけど、それを支える小沼さんもスゴい。
リハーサルから舞台を見ていたけど、小沼さん、ピアノに触って温度を確かめることから始まり、一つ一つの鍵盤を叩き、一音につき3本の弦を調整してゆく。それが終わると、和音を調整し、最後に誰のためでもない、自分とアーティストのための曲を弾く。最後に満足げにピアノを眺める。アーティストを陰で支えること、ピアノのチューニングが出来上がることに納得している。
そんな小沼さんの人生を、僕はとても羨ましく思った。
完璧な一日。
↓小曽根さんと初めて会ったブルーノート大阪のコースター(再掲)。僕にとっては大切な写真。