ニュースでは、今夜から明日の朝にかけて雪の警報があった。僕の家の周りでは、雪になることはまぬがれたらしく、今もしとしとと雨が降っている。久しぶりに聞く連続した雨だれの音は、ブログを書くのにピッタリだと思ってキーボードに向かうことにした。
何をエントリーしようか、色々考えていたら、先日、友人と食事していて「ねぇ、ねぇ、カメ飼いなよ」って、また言われたことを思い出した。
いつの頃からか、その友人は僕にしつこくカメを飼うように勧めるようになった。「亀は楽でいいよ。エサも週一回でも良いし、散歩につれていく必要もないから…」
彼は亀フリークというわけじゃない。それどころかペットは何も飼っていない。
彼は続けて「オレの知り合いにさ、カメをいっぱい飼ってる人がいて、その人が遺言でカメをくれるんだって。それでさ、カメ仲間にとっては、珍しいカメもいるから、その人が亡くなるのは悲しいけど、カメをもらえることは嬉しいみたな、複雑な状況なんだけどなぁ…」と説明した。
そんな、変な状況を突然説明されても、僕はカメ・マニアでもないし、珍しいカメなんて、どう飼育したら良いのか見当もつかないし…。
僕は黙って、その話を聞いていたけど、「それってチョット優しい話かも…」とふと思った。
一般的に訃報は人を悲しませる。
でも、そんな中、カメをもらうことによって、そのネガティブな感情が、ほんの少しだけでもその反対の感情へ引き戻すことが出来るなら、それはそれで亡くなる人の優しさなのかもしれない。
それだけでなく、消えてしまった一つの命のかわりに、もう一つの生命が別の人に思い出になって引き継がれて行く。
そんなことを思いながら、僕は友人に「歳をとったら、そんな趣味もいいかもね…」って答えた。
ただ、たくさんの珍しいカメを飼って世話をして、多くのカメ・マニアの友人たちを作る。その道のりは、僕にはちょっと無理かもしれない。