帰宅するとドアの前にブルーの紙袋がおかれていた。中をのぞくと、いろいろなサイズと形のグリーンと赤、紫色の、収穫したばかりの野菜と送り主のメモが入っていた。こういう贈り物は、とっても嬉しい。
野菜がプロダクト、つまり規格商品として流通するようになって久しい。もちろんサイズや形がコントロールされることによるメリットも、僕は十分わかっているつもり。形が揃っていれば、運搬や出荷のオペレーション、大量調理などがしやすい。
それでもなお、僕が不揃いの収穫に親しみを感じるのは、それが人間に似てるから。
1つ1つのサイズや形が違う。日当りや天候など、限られた条件の中で、それぞれが精一杯に育っている。もちろん、育てた人の愛情が注がれているのは言うまでもなく。
「プロマジシャンになるにはどうしたらいいですか?」というメールや質問をもらう。僕は、最近、こんなふうに答える。
「栄養を吸収して、太陽の光を程良く浴びることかな…」
そうすると質問者は
「でも、前田さんって日焼けしてないですよね」
ってキョトンとすることもあるけど、もちろんこれは比喩。
知識を吸収して、思考して、感じるってこと。
「そして、他人と違っていてもガッカリしないこと」
それがあたりまえなことだと思う。
追伸:野菜はベーコンと一緒に
ラタトゥイユに。美味しかった。