庭に遊び来ていたネコの親子。仔ネコも成長して、子離れのタイミングになった。
ネコを飼っている人ならご存知だと思うけど、ネコは単独で暮らす動物。だから、親ネコは、大切に育てた仔ネコを、ある日突然に強く噛む。
仔ネコは、今まで愛情を注いでくれた親ネコが、急に、そんな行動をとることに困惑する。そして、親ネコはどこかに行ってしまう。
ひとりぼっちになった仔ネコは「ニャーニャー」と寂しさを訴える。とくに、たった一匹だけで眠ることが特に不安らしい。
僕は仔ネコと一緒に眠ることはできないので、しかたなく、古いブランケットを差し出すことにした。仔ネコはブランケットの柔らかい肌触りで、親ネコのことを思い出しているような気がする。不安げな鳴き声がピッタリと止んだ。
あと3ヶ月もすれば、この仔ネコも成体になると思う。それまでのあいだは、ブランケットが親と兄妹と友だちのかわり。