プロフィール

前田 知洋
(まえだ ともひろ)
東京 生まれ
観客のすぐ側で見せるクロースアップマジックというスタイルのマジシャン。チャールズ皇太子もメンバーの英国マジックサークル、ゴールドスターメンバー。ハリウッドのマジック・キャッスルなど、海外での出演も多い。出演したテレビ番組は100を超える。インテリアと建築の本「モダンリビング」(アシェット婦人画報社)で自宅のリノベーションなどにまつわるエッセイを連載中。

さらに詳しく知るには
前田知洋公式サイト

「人を動かす秘密のことば」出版しました。

「知的な距離感」も好評出版中。


DVD「奇跡の指先 前田知洋 プライベートレッスン

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デジタルか?アナログか?その2
FAQ:どういうときマジックを思いつきますか?

A:いろいろなときに、いろいろな場所で思いつきます。たとえば、ある絵画展のレゾネを読んでいると面白いエピソードが載っていました。それでマジックを思いついたことも。エピソードはこんな感じ…

昔、ある国で、一番の画家を決めようということになりました。たくさんの画家が参加し、最終的に二人の画家が残りました。お互いの作品を王様の前で披露することになり、1人目の画家が絵を披露しました。そこには美味しそうなブドウが描かれています。観衆は余りの美味しそうなブドウに息をのみました。するとそこに窓から一匹の小鳥が飛んできて、その絵に描かれたブドウをついばもうとしました。その絵を描いた画家は有頂天になり、もう1人の画家にこう言いました「鳥さえも騙す、オレ様の作品はどうだ!オレの勝ちはもう決まったも同然だが、お前もそのキャンバスにかかった布を外して、作品をみんなに見せたらどうだ!」

ところが、2人目の画家はキャンバスの布をとることもなく、国一番の画家として選ばれることとなりました。

本当は、布はキャンバスにかかっていたのではなく、描かれていたのです。巧みな技術で鳥を騙すよりも、プロである画家自身、つまり人間をだました2番目の画家に、王様は栄誉を与えました。(エピソード終わり)

この話を読んだとき、その話の意外性に驚かされました。そして、スケッチブックとデッサン用の鉛筆を使って、一つのマジックを考えました。

マジシャンは、スケッチブックのページを破り、その画用紙を切り分けて、絵柄を描き十数枚のトランプを作る。観客に一枚を選んでもらい、よく混ぜてからスケッチブックをテーブルのように使い、その上にバラバラに広げ、マジシャンがダーツを投げると、観客のカードに命中。観客が矢の刺さった選ばれたカードを確認のため取ろうとするとスケッチブックに張り付いている。実は張り付いているのではなく、選んだカードだけが、元々スケッチブックに描かれた「一枚のカードの絵」で、はじめからトランプの中にはなかった。(マジック終わり)

最終的には、ダーツを使うのをやめて画鋲に換え、最後にカードの数字が変化するように変更しました。こんなふうにトリックを組み立てていく過程や、道具を試行錯誤するときには、必ずノートとペンで書いては、修正してゆきます。マジックを考えたり、アイディアをまとめるのには、思考を妨げないアナログの方が向いている。愛用は三菱水性ジェルボールペン(ブルー)。

写真は、トリックを思いついたときのノートのアイディア書きと最終的に発表した記事。このトリックはラスベガスのコンベンションで演じて、アメリカのMAGIC誌に1995年9月に寄稿。
デジタルか?アナログか?その2_d0036427_23331463.jpg

by tomohiro_maeda |Comments(6)

Commented by az at 2005-06-15 01:27 x
面白い絵画のエピソードですね。
何かのエピソードからマジックのアイデアが浮かぶというのがとても素敵で、
その背景からマジックも更に素敵なものである様に感じます。

前田さんのアイデアノートはとても貴重な画像ですね!
白地に青いペンのノートはまるで一枚の絵の様です。
Commented by すばる at 2005-06-15 01:59 x
前田さんのマジック見ると、
騙された側なのになんだか「ニヤリ」としてしまうユーモアがあります


黒のペンじゃないんですね?どうして青なのかなぁ~???
以前、仕事で赤いペンを使っていたら怒られました
「『赤字になる』っていって普通は使わないんだぞ」と(^^;)
Commented by Dancing Fujisan at 2005-06-15 02:51 x
ホント面白い話ですね。日本にも雪舟の逸話がありますよね。
前田さんのスゴイところは、このエピソードからマジックを考え出してしまうところ(私なんか、ただ「面白いな」と思うだけで、ぼんやりと通り過ぎてしまいます)。それに前田さんのノート自体、絵になっている! おぬし、やはりできるな・・・

すばるさん、赤ペン使っていたらそれは確かに怒られるかも。赤字もそうだけど、目が痛くなりそう。
Commented by むらP at 2005-06-15 17:57 x
「トランプをひいてください。」
「まぜます。」
「あなたのひいたトランプはこれですね。」
こんな単純なマジックを披露するマジシャンをよく見る。

前田さんのマジックの魅力はただマジックをするだけでなく、
必ずお洒落なサイドストーリー沿ってマジックが展開されたり、
ゲーム形式にしたりしてマジシャンと観客の距離感を
縮めながらマジックが進行していく点だわ。
ワクワクするの♪
サイドストーリーに沿ったマジックだと、ショートムービーを
見ている気分になり、ゲーム形式だとテーマパークで
遊んでいる気分になる!

前田さんのマジックは、総合エンターテイメントだわ♪
この記事を読んで改めて前田さんのマジックの奥深さを
痛感したわ。

それに前田さんのブログの内容も、毎回ワクワクさせられるわ☆
Commented by SAKO at 2005-06-15 18:13 x
前田さんがマジックを作るヒントとなるものは、いろいろあるんですね。
私は前田さんのマジックの中で呪いのカードが大好きです。
あのカエル君がお気に入りです。
あのマジックにも何かヒントとなるものがあったのでしょうか?
Commented by remarkabler at 2005-06-18 18:28 x
こんにちは。FanaghanというHNを使っているのですが、エキサイトブログの構造上、名前が変わっています。

ずっと以前、テレビでマジックが演じられることなどほとんど無かった当時に前田さんを拝見し、とても新鮮でした。メールも何度かお送りしたところ、そのたびに丁寧な返信を下さってありがとうございました。
今回、ブログに書かれたことを読んで、前田さんのバックグラウンドというのか、基盤と言うものがとてもしっかりしていて、驚きます。興味の幅が広くて、どれも気持ちが入っていて、すごい!
これからも、活躍してください。応援しています。

最後に、僕もエキサイトブログを2つもっているのですが、リンクさせて頂いてよろしいでしょうか?
http://eilreverse.exblog.jp/ 嘘ニュースブログと、
http://fanaghan.exblog.jp/ 日記みたいなところですが、もし問題がありましたら取り消します。よろしくお願いします。
by tomohiro_maeda | 2005-06-14 23:33 | プライベート
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