
僕の大好きな絵画の一つに、”Lescamoteur"がある。日本語にすると「曲芸師」になるかな。というのも、この絵が描かれた時代にはマジシャンとジャグラーと曲芸の区別があまりなくて、ひとりが全部をこなす演技者が少なくなかったから。僕の好きなこの絵も、テーブルではカップ&ボール風の見せ物をしているし、足下には子犬と曲芸用の輪がおかれている。15世紀生まれのBoschが描いたもの。
おとなしく並んだ観客も、修道女、僧侶、貴婦人、子供など、いろんなバラエティーがある。演技者の腰からぶら下げたカゴからも、ちょこんとフクロウが顔をのぞかせている。でも僕がこの絵を好きな理由はそれだけじゃない。
この絵には、注意深い鑑賞者ならば気がつく、いくつかのメタファーがある。僧侶はあんぐりと口を開けて、トリックに騙されている。その後ろには泥棒が、僧侶の財布を盗もうとしている。貴婦人の隣の若い男は、貴婦人に泥棒がいることを警告しながら、馴れ馴れしく貴婦人の肩に手をかけている。
それだけなら、ユーモアのある画家による、ドラマティックな人々の描写にすぎない。でもこの絵には絶対に事実ではありえない事柄がある。それは、驚く僧侶の口の中にカエルが住んでいて、そのカエルもトリックを見入っている。このメタファーは、当時権力者であった僧侶に対する揶揄だと推測されている。
当時の人々の様子、社会、トリックが演じられるスタイル、演技者の服装などが、とても良くわかる、この絵画自体がマジックみたい。
先日エントリーした「メイクしますか?」の写真、コメント欄でいろいろなご質問をいただきました。一見、テレビ局の控え室で気軽に撮った1枚に見えます。撮影方法は書くほどのことではありません。ただ、一つだけ事実とは違うものを入れて、隠れたメッセージとしました。
答えがわかった方は、後から来る人のために、答えを「非公開」にして書き込んでね。感想とか、その他のコメントは今まで通りでお願いします。
↓カエル君みえる?