先日、深夜に米Apple社のスペシャルイベントの中継をみていて、新しいiPhone(iOS)にHDR機能が搭載されると知った。
HDRとは、ハイ・ダイナミック・レンジ(High Dynamic Range imaging)のこと。写真を撮るときに露出をかえるなどして複数枚の画像を合成したり、レンダリングを行うときにRGBのそれぞれのチャンネルのビット数を拡張する技術のこと。(ご興味のあるかたはより詳しい解説を)
この技術の興味深いところは、本来は人間の目に映る風景(おそらく、脳が認識する風景)に近づけようとしたのだけれど、やりすぎると少し奇妙な映像になる。絵画的というか、温泉などの観光地にある絵だか写真だかわからない古い絵ハガキのような違和感だ。(21世紀的な技術のたとえがヘナチョコで申し訳ない)
もちろん、絶妙な合成をすれば、それは美しい写真が仕上がる。
少し古い表現に「塩梅(あんばい)」という言葉がある。「絶妙なバランス」を意味するが、本来は梅干しを作るときの程よい塩加減をいう。適切であれば、味も良くなるし長期保存も利く。(塩が多ければ腐りにくいが塩っぱくなり、塩が少ないと薄味になるが腐りやすい。)
HDRのことを書いていて、梅干しを想像する。「人間の脳は奇妙で複雑だなぁ」と自分に少しあきれたエントリー。
クリックすると大きくなります。